吟侍は、敬礼のポーズを取り、
「了解。任せておけ、んじゃな」
 と言った。
 吟侍以外クアースリータと話さなかったのは、ある程度、なついていると思える吟侍以外の者が話すと機嫌を損ねるかも知れないと思ってみんな黙っていた。
 それが功を奏したのか、最短でロスト・ネット・ワールドに向かう事が出来た。
 タッチの差で、クアースリータ12傑(けつ)やクアースリータ真従臣(しんじゅうしん)21、クアースリータ・マネージャーズなどの数多くの取り巻きがクアースリータを取り囲んだ。
 クアースリータ・マネージャーズの1名、【レーフェース・クアースリータ】は、
「大事ありませんか、クアースリータ様?」
 と聞いてきたが、クアースリータは、
「うん。何でも無いよ」
 と答えた。
 その表情はいたずらっ子が何か秘密を見つけて黙っている時の様な感じだ。
 同じく、クアースリータ・マネージャーズの【クルニークス・クアースリータ】は、
「申し訳ございません。何故か、クアースリータ様とはぐれてしまい……」
 と申し訳なさそうに言ったが、クアースリータは、
「ううん、良いよ。楽しかったし~」
 と新しいオモチャでも見つけたような感じでウキウキしながら答えた。
 取り巻き達は、まさか、クアースリータが吟侍達をロスト・ネット・ワールドに招き入れたとは夢にも思っていない。