【クトゥーアル】は、
「ちょ、ちょっと待ってください。――あなた方は十大殿堂に入るつもりはないのですよね?」
 と聞いた。
「あぁ、全くねぇ」
「だから、既存のメンバーでイメージを払拭しろと、そうおっしゃるんですよね?」
「そうだ。新メンバーをいくら入れても今居るメンバーのイメージが最悪なら、それに引っ張られて新メンバーも悪いイメージがつくだろうぜ。そうなったら、また脱退騒ぎとかになるんじゃねぇか?今居るメンバーをクビにしねぇんだったら、今居るメンバーのイメージを底上げするしかねぇんじゃねーの?」
「た、確かに……そうですね」
「根性鍛え治すためにバトルして来いってんならやっても良いと思ってるんだけどな。おいら達の事を高く評価しているんだってんなら、おいら達とそこそこやり合えたらイメージだってアップするんじゃねぇの?」
「い、言われて見れば……」
 と思案する【クトゥーアル】。
 吟侍の見立てでは、この【クトゥーアル】という男――実力としては結構、あるのだが、プロデュース能力の方はてんで話にならないレベルと言わざるを得ないと思っている。
 このまま放っておいても良いのだが、このままでは【クトゥーアル】はプロデュースの力を問われ、辞任する事にもなりかねない。
 【答えの力】でその行く先が見えてしまっているだけあり、吟侍としては放っておく事は出来なかった。
 スカウトのためとは言え、わざわざ吟侍達を訪ねてきてくれているのだ。
 見捨てるのは粋じゃないなと思うのだった。
 何にしても煮え切らない態度なのでハッパをかける意味でも【別にやらなくても良い】という言葉を口にしているが、吟侍はやる気、満々だった。
 ロスト・ネット・ワールドでの目的が欲しいというのも理由の一つだ。
 セレークトゥース・ワールドではショップエリアやヒストリーエリアなど、目的に沿った場所がある程度、確立されていたため、目的に沿って、それらのエリアに足を運べば良かった。