吟侍は逆に、
「お、おぉぉぉっすげぇ……」
 と手に汗握るようなガッツポーズを取った。
 吟侍も男の子。
 この手のイベントは嫌いじゃ無かった。
 ソナタが嫌悪感を示し、吟侍が好意を持ったイベント――
 それは、互いに水の入った風船をぶつけ合うというバトルだった。
 選手達は水で溶ける服装をしていて水がかかるとどんどん素肌があらわになっていく。
 それぞれ100個ずつの水風船をぶつけ合い、最終的に露出度の低い方が勝ちというものだ。
 片方の選手が完全に下着姿になったら勝敗が決すると言う水かけバトルで、ギャラリー達は選手達が下着姿になるのを楽しみとしている。
 ギャラリーにとっては応援している選手が勝って良し、負けて良しの戦いとなる。
 カミーロは、
「げ、下劣だ……こんなものを見に戻って来た訳では無い」
 と言って、この場を後にした。
 ロックは、
「お、おい、待てよ、カミーロ」
 と言って、彼の後を追いかけた。
 ついてきた男性陣で残って居るのは吟侍だけとなった。
 女性陣の視線が彼に注ぐ。
 吟侍は、
「ん?どうかしたか?」
 と何故、こっちを見るんだ?という表情をした。
 ソナタは、そんな吟侍の耳を引っ張り、
「さぁ帰るわよ、吟侍君、気分転換はもっと違う事でしましょう」
 と言った。
 吟侍は、
「痛てて、痛てって、おそなちゃん、耳を引っ張るなって、わかった、わかったから……」
 と言って引きずられて行こうとしていたが、フッと、勝者に与えられる商品に目がとまる。