06 ひとりぼっちの六花


 【六花軍】が崩壊するまでそれほど時はかからなかった。
 【六花軍】の幹部達の側には、【殖死】達が近づいて来ており、その死の色香に惑わされた幹部達は次々と六花の前から姿を消して行った。
 気づいた時には、【六花軍】はその大半が【殖死】達の虜となりはてていた。
 【六花軍】約6千名は一夜にして、全滅した。
 最後の砦だった【親衛隊】達からも、
「あなたが悪いんですよ」
「バイバイ女王様」
「さらば……」
 と別れの言葉が突きつけられる。
 今まで彼女に従ってやってきた6千名の兵隊達はそのまま、彼女の敵に回った。
 たった一人残される六花。
 そこには味方と呼べる者は誰も居ない。
 相談できる者も全く居なかった。
 全ては部下に見限られた彼女の責任でもある。
 責任ではあるのだが、彼女は納得しなかった。
 それでも、今まで味方だと思っていた存在が、全員、屍(しかばね)――敵、【殖死】の傀儡(かいらい)になりはてた時、彼女はこれまでの行動を後悔した。
 後悔先に立たず――今となってはどうしようも無い。
 敵に寝返った6千名の裏切り者達は他の女王の軍達が代わりに始末してくれた。
 何も出来ずにたった一人残される六花。
 【クイーンズ・イレブン】の女王軍は基本的に女王が死亡しない限りは崩壊とはならない。
 それが、女王ただ一人が残ったとしても、女王軍は生きていると判断される。
 それは女王さえ生きていれば、また、兵隊は増やせるからだ。
 女王はそのために存在している。
 だから、【六花軍】は六花一人となってしまったが、まだ生きているとされていた。
 六花は、
「くそったれが……ちくしょう……諦めるもんか……」
 という台詞を残し、姿を消した。
 女王が行方不明の場合、半年で死亡扱いとなる。
 六花に残されたのは、そのタイムリミットまでの半年間という時間だ。
 それ以降に立て直したとしても、彼女はもう女王とは認められない。
 一度、女王の座から降りた者は二度目の女王復帰は基本的にあり得ない。
 女王として、再び、活躍するには半年後までに姿を現さなければならなかった。
 六花はひとりぼっち。