05 クイーンズ・イレブン


 六花は、吟侍狼の元を去って行った。
 そして、彼女の本拠地に戻る。
 彼女のホームは【クイーンズ・イレブン】と言う。
 三部作に対抗する全ての世界の勢力が11名の女王を見立て、そこに集う戦士達を求める広告塔とした。
 その11名の一人とされたのが、№11の女王に選ばれた六花だった。
 【ファーブラ】との戦闘時はこれは【クイーンズ・エイト】と呼ばれていたが、その後、三部作の一つ、【ファーブラ・ローマーネンシス】と深く関わった六花を初めとして3名分、増えたのだ。
 そして、名称も、【クイーンズ・ナイン】、【クイーンズ・テン】と変わり、現在は【クイーンズ・イレブン】となったのだ。
 新しい女王に奉り上げられた六花だが、まだ、彼女に集う彼女のナイト達は少なかった。
 新しい女王なのだから、仕方が無い事なのだが、それでも、集う者が集まらない理由は彼女の素行の悪さが一つの原因となっていた。
 品位が無い。
 今までの女王の中で一番、女王らしくない。
 まるで悪党だ。
 ビッチだ。
 あばずれだ。
 知性の欠片も無い。
 女王じゃない。
 等々、彼女の悪評は後を絶たない。
 だが、六花はそんな事どうでも良かった。
 三部作さえつぶせればどうでも良かったのだ。
 だが、兵隊が少ないという事は活動範囲もそれだけ他の女王に比べて制限されるという事になる。
 そこで、彼女と同じ様に三部作と縁が深い少年、吟侍狼のスカウトに女王自らが出向いて喧嘩して帰って来たのだった。
 数少ない兵隊達が自分達もつきそう。
 自分達が行くなど意見を言ったのだが、全て却下。
「アタシの下につくってんならアタシのやり方に従えよ」
 と言ったのだった。
 それを言われてしまえば、兵隊達には従うより他、無かった。