この状況では気持ちは内側に向くが、それが叶う事は無く、お預けとなっている。
 自分に性犯罪者にでもなれと言われている様な状況だった。
 このまま、ムラムラお預け状態が続けば、いつか――そんな気持ちがよぎる。
 だが、それも許されない。
 勇者であるという事は聖者でもあれという事と同じ意味だった。
 神倒は清廉潔白(せいれんけっぱく)であれ――という事が強制的に求められている。
 彼はそんな人間ではない。
 彼は欲望に忠実な人間だった。
 力を求め、女を求める――聖者とは呼べない人間だった。
 だから、我慢しろと言われても息が詰まるだけ。
 溜まりにたまった欲求はいつか爆発する。
 藤里姉妹には自分達の代わりに勇者となれと言われている。
 だが、このままでは勇者というよりは勇者に退治される側になってしまう。
 その事を必死に雅に訴えると、彼女は、
「しょうが無いなぁ、じゃあ、条件を変えてあげても良いが、その変える条件は、男性勇者希望者と同室で生活してもらう事になる。一旦、神崎さんの入居を決めてしまった以上、彼女もどこかに住まわせなくてはならない。だから、男性勇者希望者の【ベースハウス】との交換となる。その交換する【ベースハウス】は16部屋を用意している【麻生家(あそうけ)】になるな。【ニィホン】エリアでは【麻生家(あそうけ)】と【周防家(すおうけ)】と【毛利家(もうりけ)】と【藤里家】の四つが新規入居者を募集している【ベースハウス】になっている。【周防家】と【毛利家】は女性勇者の入居者募集をしている所だから、男性となると【麻生家】しかない。そこと交換となるとお前さんと合わせて17人で7部屋を使う事になる。となれば、一部屋辺り、2、3人ですし詰め状態という事になるけど、それでも良いのか?」
 と言ってきた。