こう、彼の意に添わない状態が続くと彼も次第に諦めて来る。
 もう、どうでもいいやとどこかで思うようになっていた。
 女性入居希望者を募集してすでに15日――この頃には彼も学校の方での生活も次第に慣れていった。
 いつ決まるとも解らない入居希望者に期待するよりも彼の通う学校は共学だった。
 学校には彼の大好きな女の子も多く通っているのだ。
 意識は、同居人よりも同級生に向けられる様になって行ったのだった。
 神倒は、
「ねぇねぇ、君、今日は暇?良かったら俺と……」
 と言うが、女性は、
「ご、ごめんなさい。私……用事があって……」
 と断られていた。
 彼には内緒にしているが、実は、学校では神倒には勇者としての仕事があるため、彼女は作らない事になっている。
 もし、これを破って彼と付き合った生徒は退学を申しつけるという御触れがあるのだ。
 そのため、彼を勇者として尊敬しては居ても、彼の誘いに乗る女生徒は一人も居なかったのだ。
 もしも、下手に付き合えば放校処分となる。
 なので、勇者の彼女になれるという利点はあっても彼がモテる事はなかった。
 恋人を作りたければ、これから決められる同居人の中から――そう言う様に雅の――そのバックの藤里姉妹の手に寄って道を決められていた。
 それを知らない彼は、
(なんでモテないんだ?勇者と言えば、モテる仕事じゃ無かったのか?これじゃ、何のためにやってんだか……)
 と思っていたのだった。