神倒は、
「だ、騙しやがったなぁ……これだから女ってやつは……」
 と悔しさをにじませる。
 雅は、
「この【藤里家】には藤里姉妹の直弟子の男性と同居をしても良いという条件を飲める女性勇者のみ募集するわ。これで文句は無いでしょ?ただし、最低限のマナーは守ってもらう。女の子との同居だからね。勇者なら当然よねぇ?」
 と言ってにっこりと笑った。
 神倒は、
「……まるで悪党だな。手口が汚ぇよ……」
 と言うが後の祭りだった。
 雅は、
「同居する女の子の中でこの子は特別だと思う子が居たのなら、認めるわよ。恋人になる女性との邪魔はしたくないからね。ただし、浮気はダメよ、絶対に。特別な女性が出来た場合のみ認めますからね」
 と言った。
 雅の後ろに藤里姉妹が見えるようだった。
 藤里姉妹と離れる事にはなったが、いつまでも彼女達の手のひらの上で踊らされているような気分になるのだった。
 だが、女の子と一緒に暮らせるというのは決して悪い話ではない。
 事故に見せかけてお風呂でばったりなどのイベントも期待出来る。
 彼はそう考えていた。
 なので、騙されたと思いつつも、正直うれしかった。
 彼も男の子。
 おいしい思いをするかも知れないという事はいらっしゃいませ状態なのだ。
 雅はそれを見透かした様に、
「あ、何かあったらペナルティーだから……」
 と付け足した。
 つまり、下手なことは出来ないという事だ。
 例えば寝る部屋を間違えて、部屋に行くとか、女性が口をつけたコップを間違えて飲んだと言う事をすると何らかの罰があるという事になる。
 だが、罰を怖がっていては何も出来ない。
 彼は、下心に対して前向きだった。