そのまま、神倒の元に向かってくる。
 神倒は、
「うわっと、あっぶねぇ~」
 と言って交わすが、危なかった。
 一歩、間違えば神倒はサーベルで細切れにされていたかも知れない。
 男性拳士のリーチでは、巨像の本体に拳が届く前にサーベルに切り刻まれてしまう。
 このままではまずいと思った神倒は、
「戻れ」
 と言った。
 すると男性拳士は【イラストゴーストペーパー】に戻り、やがてスウッと消えた。
 男性拳士が紙(白紙)に戻ったので、また、イラストが描ける。
 同じ紙に神倒はまた、ささっとイラストを描く。
 今度のイラストはハヤブサの様なイラストだ。
 そのイラストの右下の部分に【×20】と追加されている。
 すると、今度は巨大なハヤブサの様なモンスターが現れた。
 【×20】とはその描いたキャラクターの大きさを示したものだ。
 つまり、神倒は、通常のハヤブサよりも20倍大きなハヤブサをモンスターとして出したのだ。
 ハヤブサと言えば、スピードが速いという事でも有名な鳥だ。
 能力としては、同じ【パワー】なのだが、それにハヤブサのデザインを追加する事によって、【パワー】にスピードを乗せたのだ。
 更に大きくする事でリーチも稼いだ。
 ハヤブサモンスターのスピードとパワーで巨大巨像を撃破しようと考えたのだ。
 同じ【パワー】の能力でもそのデザインによって、使うバリエーションも変わって来る。
 それが、昇華させた【イラストゴースト】の力だった。
 神倒はハヤブサモンスターを上手く操り、巨像ゴマを撃破した。
 壊れた巨像の欠片から由香子の体が溶けたものが染みだし一つにまとまり、やがて由香子の形を取る。
 雅は、
「合格!見事な戦いぶりだったわ。もちろん、それだけじゃ足りないけど、ここに住む最低条件はクリアしたわ」
 と言った。
 神倒は、
「そう言ってくれると助かるわ。腹減っちまったんで、食事にありつきたいんだけどな……」
 と言うと、雅は、
「ちょっと待ってなさい。今、おもてなしをするわ」
 と言って笑顔で返した。
 なんとか居住を認めてもらって安堵する神倒だった。
 住む所は決まった。
 これから、彼の伝説が始まるのだった。