あの家の外見でどこにこんなものが入っていたのだろうかと思うくらい大きなものだった。
 観客席には10万人は入るであろう席が用意されている。
 神倒は、
「す、すげぇな……」
 とつぶやいた。
 雅は、
「凄いのはあんたの師匠達だよ。なんせ、最強の勇者と呼ばれた二人だからねぇ。私の力は別にある。これからそれを見せる。もちろん、あんたにも自分の力を見せてもらう。いくら藤里姉妹の直弟子でもあんたが使えなかったらここへ置く意味が無い。強い勇者がそのまま優れた師匠だとは限らないからね。あんたの実力をテストさせてもらう。私と戦って見て、合格点を出してもらう。それがあんたが、ここへ住む条件だよ。さっきまでの質問は単なるオマケさ。実力こそが全てものを言う。ここには最大でも7人しか住めないからね。実力が無い者には遠慮無く出て行ってもらうよ」
 と言うと、雅の体が溶けて行く。
 神倒は、
「なんだ……?」
 と言う。
 雅は、
「この力は私、本来の力じゃない。私の体はとうに朽ち果ててるかね。この力はこの体の本来の持ち主――戦闘中に心を奪われてしまった財前 由香子(ざいぜん ゆかこ)という少女の力さ」
 と言った。
 どうやら、雅の体の本来の持ち主の名前は【財前 由香子】というらしい。
 才能があれば何歳でもこの家に住み、勇者として迎え入れられる。
 由香子もそうして選ばれた一人だった。
 だが、敵との戦闘中、心を奪う能力に特化した相手と遭遇、心を喰われてしまった。
 心を奪われてしまうと肉体も死んでしまう。
 そこで、昔の戦闘で体が腐っており、魂だけ架美の【神の知識】で作った【霊魂保護ランプ】で、アドバイザーとして現世に残っていた雅が彼女の体に入り、彼女の代わりとして、生きていく事になったのだ。