もう、手帳を渡された時の様に、自慢出来るものが何も無かった頼りなかった彼じゃ無い。
 立派に自慢出来るものを一つ持った自分だった。
 ジェルソミーナは、
「解った。彼女に見せよう。だが、後悔するなよ」
 と言った。
 隆作は、
「しないさ。最初はそれが基本だ。だから間違ってない」
 と答える。
 自信満々だった。
 ジェルソミーナは首をかしげ、隆作は自信満々。
 一体、彼は何を埋めたのだろう?
 その答えは、吹雪がそれを見た時、判明する。
 隆作は直接会わせる訳にはいかないので、遠くで、ジェルソミーナが吹雪に手帳を見せるのを確認する。
 ジェルソミーナが渡さないで興味を示さなかったと言う可能性もあるので、確認だけはさせてもらえる事になったのだ。
 彼女が興味を持った様なら出て来て良いという事になっている。
 場所は、近くのカフェ。
 外に設置されたいすに並んで腰掛け、ジェルソミーナは吹雪に手帳を見せる。
 その光景を隆作は、向かいのファストフード店で見ているという状況だ。
 ジェルソミーナは、
「姫様。私はつまらない約束をしてしまったのですが、聞いていただけますでしょうか?」
 と言った。
 吹雪は、
「あら、なんですか?ジェルソミーナの頼みなら聞きますよ」
 と答えた。