だが、今、自分に出来る事はこれしかない。
 そして、胸を張って、書けるのはこれしか無いのだ。
 早速、彼はジェルソミーナを探す。
 吹雪にメモ帳を渡してもらうためにだ。
 隆作は、
「ジェルソミーナさん、居るんだろ?出て来てくれ。約束通り埋めてきた。テストしてくれ」
 と言って、声をかける。
 シーンとなる。
 ここには居ないのか?
 それとも時間がかかりすぎて、去ってしまったのか?
 まさか、吹雪も?
 そんな不安がよぎる。
 だが、しばらくすると……
「そんなに大声で叫ばなくても聞こえている。出来たのか?……見せて見ろ」
 と言って隆作から手帳を受け取る。
 そして、パラパラと斜め読みする。
 しばらく考えた後、
「……本当にこれで良いのか?」
 と聞き返す。
 隆作は、
「これが考えに考え抜いて出した答えだ。これでダメなら僕にはどうしようもない」
 と言った。
 ジェルソミーナは、
「私は彼女が興味を示す何かを埋めろと言ったんだぞ?」
 と言うが、隆作は、
「僕は彼女の事をよく知らない。――それに、彼女も僕の事を知らない。だからこれが答えだ。判断するのはあなたじゃない。吹雪さんだ。違うか?」
 と言った。