彼は気づいていない。
 彼が現在行っている事こそ、トライアンドエラー――成功者達が行っている行動の一つだと言う事を。
 彼は悩む。
 悩んで、
 悩んで、
 悩み続ける。
 答えは見つからない。
 だから、また、探す。
 探して、
 探して、
 探しまくる。
 それでも答えは見つからない。
 でもまた、新たな道を見つけて探し始める。
 彼は全く無駄な事――無意味な事をしているのだろうか?
 いや、違う。
 彼の行動をどこかで見てくれている者は必ずいるのだ。
 それが、すぐ結果に結びつくかどうかは解らない。
 あっという間か?
 それとも一週間後か?
 ひょっとしたら十年先か?
 あるいは死後になってか?
 それは解らない。
 運も必要だ。
 どんなに努力してもそれがすぐに結果に結びつくかどうかは運も関わってくる。
 だけど、諦めたらそこで全てが終わる。
 諦めなかったら、まだ、道は続いているのだ。
 どんなに見えない薄暗い道だとしても、
 どんなに細々とした頼りない道だとしても、
 どんなに凸凹な道だとしても、
 それは続いているのだ。
 隆作は自覚を持っていないが、成功者がたどる道を少しずつ進んでいた。
 手帳はまだ、何も埋まっていない。
 埋まっていなくても、埋めるための素材を探して、彼はもがき続けた。