彼女をつなぎ止める方法が今はこれしか無いから、諦められない。
 他人にはバカみたいな事に映っていても、隆作にとっては真剣に向き合っている事だ。
 バカにしたければバカにすれば良い。
 一つの事に真剣になることの何が悪い?
 他の奴には、ばかばかしい事でも自分にとっては全てを賭けるだけの価値があることなんだ。
 奇跡を起こしてやる。
 その奇跡が自分にとっての特別な事の証明だ。
 ジェルソミーナにだって、凡庸な人間だって言わせやしない。
 これから起こす奇跡が自分にとっての特別な何かだ。
 行動するべき方向が解った隆作は、思わずジャンプして転んだ。
 通行人達がクスッと笑う。
 笑いたければ笑えば良い。
 これから特別な事をやってやろうと思っているんだ。
 これから僕は特別な人間になるんだ。
 今に見ていろ。
 そう思うのだった。