「テスト?どんなテストだったの?」
「わ、よくわかんない?」
「わからないって?」
「よくわからないテストだった」
「ふーん、まぁよくわからない人だかね。それより、宇田君、食事は何かリクエストとかある?今日は、ご招待も兼ねて私が作るよ」
「え?か、片出が?」
「あ、なぁにぃ?私の手料理は食べられないとでも?ご心配無く、これでもちゃんと先生に教えてもらっています。そんなにまずくは無いと思うよ」
 と言った。
 違います。
 あなたの手料理を食べられるという事に驚いたんですとは言えなかった。
 まさか、屋敷に着いて早々に、好きな女の子の手料理をごちそうになれるとは夢にも思っていなかったのだ。
 思春期のうぶな男子の気持ちに対しては彼女は鈍いと言わざるを得ないだろう。
 自分の美しさ、愛らしさというものがわかっていない。
 それを自覚していないのであればちょっと天然が入っているとも言えるだろう。
 そんな彼女の魅力を一つ発見した与粋はちょっとうれしくなった。
 そして、与粋は、
「じゃ、じゃあ、カレーとラーメンを……」
 とリクエストした。
 唯愛は、
「えーっ?炭水化物に炭水化物でかぶせるの?私も同じメニューにしようと思っていたんだけど、それじゃ、太っちゃうわよ。これでも年頃の女の子なんだからね」
 と頬をぷくぅっと膨らませた。
 その姿がたまらなく、愛おしい。
 思わずギュウっとしたくなる衝動を必死で抑える。
 これを意識せずにやっているとしたら相当な罪作りな女の子だ。
 唯愛は、
「ちょっと待っててね、今作るから」
 と言って、部屋を出て行った。