確かに、自分の可能性は未知数だった。
 自信はある。
 ものすごいものが出来るという自信は。
 だが、それ以上に与粋を待ち受けているものが何なのかが全くわからないというのが不安だった。
 何か、とんでもないものを相手にしようとしているのでは無いか?
 そんな不安が彼を襲っていた。
 その不安を言い当てられたのだ。
 与粋は、
「い、いや、その、あの……」
 と何かを言おうと思うが言葉が出ない。
 言葉が浮かんで来ないのだ。
 【くゆり】はわかってますと言いたげに、
「大丈夫、大丈夫、最初は誰だって不安だもんね。何があるかわからないし、誰も答えは教えてくれない。そんな状態に不安を持つなって方がおかしい。逆に私達としては今の君には怯えていてもらわなければ君を信じる事が出来ない。何にも怖い物が無いっていうお馬鹿さんには安心して姫君を任せられないからね。それよりは、常に恐れ、それをあがいてどうにかして払拭しようと言う考えの持ち主の方がまだ信じられる。君が相手にしようとしているのは君が思っているものよりもずっと、ずっと、強大かも知れない……」
 と言った。
 そのまま、与粋の表情を見ている。
 どうやら、彼をテストしているようだ。
 与粋が唯愛を任せられる様な男かどうか、見ているのだ。
 テストされているのは何となくわかるのだが、どう反応すれば正解なのかは全くわからない。
 愛想笑いを浮かべるべきか?
 それとも試すなと怒るべきか?
 怖がるべきか?
 泣くべきか?
 おどけるべきか?
 話題をそらすべきか?
 答えがわからない。