イメージとしては固まっているが、その【特別な力に対してものすごい対応力を持っている】という部分を肯定させるため――説得力を持たせるための材料がまだ少し、足りないのだ。
 だから、それをキャラクター化する事が出来ていない。
 そのため、与粋は毎日、【ディプミラ】との通常対戦を繰り返し、【ディプミラ】の思考を読み取ろうとしていたのだ。
 だから、負けは負けでもただの負けではない。
 次につながるための【負け】を積み上げていたのだ。
 真の実力を示すのは今では無い――そう思うからこそ、与粋の闘志は消える事無く、負け続けていたのだ。
 唯愛は、
「【ちらかし】さんは言っていたわ。すぐに諦めてしまう様な者では万が一【一人目】を倒せたとしても【二人目】、【三人目】と続いて行く内に必ず途中でつぶれるって。【七人目】までたどり着けるのは、もしかしたら、世界中を探しても彼――つまり、あなた一人しかいないかも知れないって」
 と言った。
 【七人目】までと言っているのは彼女の体に吸収された7名の妹達の事を指しているのだろう。
 与粋は、
「そんなの買いかぶりだよ……」
 という言葉を飲み込んだ。
 その消極的な姿勢と言葉は彼女を絶望させ、彼女とのつながりを無くす、破滅の言葉だと思ったからだ。
 この言葉だけは言っちゃならないと必死で我慢した。
 その後も彼女の過去について与粋は黙って聞いた。