自分がただの趣味だと思ってやっていたことが呪いだった――
 血の気が引く。
 あれだけ仲良かった【ちらかし】さんが実は唯愛からの回し者だったという事実にも驚いたが、趣味が呪いだったという衝撃の方が大きかった。

 また、【大丈夫だった】というのはどういう意味だろう?
 他にも誰か、彼女の受けた呪いを移した事があるのだろうか?
 与粋は、
「だけど、僕は【ディプミラ】とのゲームに勝った事ないし……」
 と言った。
 対【ディプミラ】戦の戦績は全戦全敗――それが彼の成績だ。
 唯愛は目を瞑り、また開くと、
「宇田君はただ、負けていた訳じゃないよね?他の人達は負けが続くとやる気を無くしてしまって【ディプミラ】から離れて行ってしまった。【ディプミラ】によって記憶を消去されて、それでおしまい。私が話をするまでもなく離れて行った。でも、あなたは違う。君は、何かやっているよね?」
 と言った。
 与粋はギクッとなった。
 図星だったからだ。
 確かに、いくらやってもどんなにうまくなっても負け続けるゲームなど誰でも止めたくなってしまうかも知れない。
 だが、与粋は負けながら、【ディプミラ】の癖などを研究し、それに対抗するキャラクターを作るためのメモなどを取っていた。
 【ディプミラ】との戦いを通して試してはダメ、試してはダメというのを繰り返し、とっておきとでも言うべきキャラクターを作るための資料にしているのだ。
 キャラクター名は決めている。
 自分の名前をとって、【与粋1世(よすいいっせい)】だ。
 【1世】としているのは、それから更に改良を加えていって、【2世】、【3世】と新しくしていくつもりだからだ。
 大体のキャラクター像――性格は決まっている。
 どこか、ひょうひょうとしていて、戦いとは無縁の様な性格をしているが、敵に対する警戒心は常人離れしていて、特別な力に対してものすごい対応力を持っているというキャラクターだ。