結果は惨敗。
 【ディプミラ】が操る30キャラの内、倒せた敵キャラクターは1キャラも居ない。
 まだ、【ディプミラ】が用意する牙城を崩せない。
 だが、また、明日だ。
 明日はどんな工夫をしてやろう……
 どうすれば、【ディプミラ】が操る敵キャラクターを倒せるだろう。
 それを考えるとワクワクしてくる。
 唯愛が言うには、倒されても倒されても後から後から新しいキャラクターを考えつくのは一つの才能らしい。
 大概は、自分の考えたキャラクターがどうやっても【ディプミラ】に敵わないと感じると諦めてしまうらしい。
 だが、与粋にとって、敵が強ければ強いほど、燃えるのだ。
 自分が考えもしなかった力を使われたりした時は興奮を覚える。
 簡単に勝てる勝負をしていても楽しくない。
 それよりは難攻不落の牙城を如何にして崩せるか?
 より強いキャラクター、より凄い戦略を考える事に集中する。
 与粋がこのペーパークラフトのゲームをやり始めて、【ディプミラ】に勝った事は一度もない。
 現在までに299戦299敗だ。
 全て負けている。
 だが、その299戦全てにおいて、別の工夫をして、また、別の戦略を立てて、与粋は【ディプミラ】との勝負をしていた。
 今回の敗北で記念すべき300戦300敗という事になる。
 負けはしたが、後悔はしてないし、これからも頑張るつもりでいた。
 だが、これが宇田家で出来る最後のプレイとなる事はその時、思いもしなかった。
 翌日、両親から、片付けなさいとの命令を受けた。
 なのが、両親にこのままだと人も呼べないと訴えたらしい。