レマの巨大胸像は、
「初めましてカノン・アナリーゼ・メロディアスさんに【沖椰子 ゆのあ】さんですね。わたくし、クアンスティータ・レマと申します」
 と話しかけて来た。
 聞いているとずいぶん、丁寧な口調だ。
 これまでの側体クアンスティータとは品が違うという感じだった。
 清楚な印象がある透き通った声だ。
 どうやらおしゃべりのクアンスティータという印象は間違っていたようだ。
 カノンは、今までの側体クアンスティータに対してしてきた様に、レマのエリアで体験して来た事を会話のベースとしてレマと話した。
 【ゆのあ】は今まで現界の裏歴史の事だけをベースにして話して来たが、やはり、それでは、弱いと判断したのか、彼女には珍しく、レマのエリアで体験して来た事も話の種として加えて、そのレマのエリアと現界の裏歴史の相似点、相違点などをベースとした話に切り替えて言った。
 カノンはともかく、【ゆのあ】の方は慣れない話し方になったので彼女はヒヤヒヤしたが、言葉使いの印象通り、おしとやかなクアンスティータであるレマは、気を損ねる事無く、カノン達と打ち解けて行った。
 話してみれば一番、カノン達と話しやすいクアンスティータかも知れない。
 好戦的だったファムトゥと違い、レマは平和主義的な性格らしく、交渉もしやすかった。
 カノンは行けると判断し、
「あのね、レマちゃんにもお願いしたい事があって、私は側体のクアンスティータちゃんの所を順番に廻っていって、最後にその縁の存在を集めて歌を歌いたいと思って居るの。
これには、トルムドアちゃんとソリイントゥスちゃん、歌が苦手だっていうファムトゥちゃんも賛同してくれたんだ。レマちゃんにも何か歌を歌える存在とかがいたら紹介してもらえたらうれしいかなって思うんだ」
 と言った。
 レマの巨大胸像は、
「わかりました。用意しましょう。でもその代わりに条件があるのですが、よろしいでしょうか?」
 と言った。