待ちくたびれたのか【まめぽん】は、
「お代わりタヌ……」
 と言っていた。
 どうやら、寝ぼけて寝言を言っているようだ。
 【花輝行列】はどちらかというと【まめぽん】が気に入るというタイプの【パレード】ではない。
 あまり興味ないというのが態度でわかる。
 だが、カノン達女の子にとっては大変、興味あるイベントだった。
 出来たら【花輝】の衣装で着飾って参加したいくらいの気持ちだ。
 サービスで簡単な【花輝】の衣装を着させてくれる所もある様だが、浮かれてはならないとそれは我慢した。
 待っていると、やがて、【花輝行列】の先頭が見えてくる。
 カノンと【ゆのあ】の感想は、
「「素敵……」」
 だった。
 このエリアに来てからもう何百回目になるだろう――【うっとり】とした表情を浮かべる。
 美しさの脅威というのはこういうエリアの事を言うのだろうと実感していた。
 どの【花輝】達も、選ばれたというだけあって、全員、飛び抜けて美しかった。
 そして、【花輝】の衣装も圧巻の一言だった。
 【花輝行列】は言ってみれば、楽園にある珍しく美しい花々が少しずつ動いている様な光景を思わせる【行列】だった。
 この【花輝行列】の【花輝】達にも大きく分けて5ランクがあり、
 下から、左右を10列で歩く【添花(そえばな)】、
 列の先頭と後方を固めて歩く【上添花(かみそえばな)】、
 【神輿(みこし)】の周りを歩く【献上花(けんじょうばな)】、
 【神輿】の上に立つ【上絢爛花(かみけんらんばな)】、
 そして、【神輿】の最上段にして中央に立つ【最上華尊花(さいじょうかそんばな)】と呼ばれているらしい。
 【最上華尊花】に選ばれる事は最高の名誉の一つとされる。