レマのエリアの多くでは一つの視点――つまり一カ所あたり、一日を通して15回見え方が変わるというのだ。
 カノン達は移動しながらあたりの景色を見て来たため、この【一視十五景】というものを堪能していなかった。
 確かにこれを知っている、知っていないでは雲泥の差となるだろう。
 知らなかったのが恥ずかしいくらいだ。
 ちなみにレマ・ワールドの方では【一視四千九十六景(いっしよんせんきゅうじゅうろっけい)】と言われているらしい。
 さすがに一日に【四千九十六景】も見る事は出来ずランダムとなるようだが、それでもレマのエリアが子供だましだと思えるくらいの美しい光景だという。
 まさに美しさを極めたような宇宙世界なのだろう。

 後、気になったのは男性が侵入して来た時の【処刑】についてだ。
 このエリアでの【処刑】とは殺害するという意味ではなく、男性としての体や心を消し去り、完全な女性とする事を意味していた。
 吟侍達が不用意にこのエリアに来たら女の子にされてしまうかも知れないと思うとゾッとなるカノンだった。
 また、このエリアの強者達の特徴は【三面容姿(さんめんようし)】というのも挙げられる。
 【三面容姿】とは阿修羅像のように顔が三つくっついているのではなく、顔を着替える事が出来るというもので、基本的に三つの容姿を持っているというのだ。
 吟侍から、化獣には【身替え(みがえ)】という体を取り替えるという事が出来ると聞いた事があったが、それと似たようなものだろう。
 レマのエリアの強者達は顔を中心に二つのストックを持っているという事になる。
 ただでさえ美女なのに、他に二つも別の容姿を持っているなど、うらやましい限りだとカノン達は思った。