04 鉱物巨兵(こうぶつきょへい)


 カノン達はファムトゥのエリアでは一般的になっている【バトル】についての情報を集める事にした。
 地球には【運命の赤い糸】という将来、結ばれる相手との間につながっている見えない糸があるという話があるが、ファムトゥのエリアでは【宿命の紅い糸】というものがあり、これは将来的に戦う運命にある血で出来た見えない紅い糸があるという話があった。
 しかも言い伝えではなく、実際にあるというのだ。
 【運命の紅い糸】が添い遂げる相手なのに対し、【宿命の紅い糸】は生死を賭けた戦いをする者同士を表現している。
 この事からもこのファムトゥのエリアはかなり、好戦的なエリアと言えるだろう。
 もちろん、戦う相手と言っても存在事にその強さに強弱があるだろう。
 弱者は強者との戦いが宿命づけられている場合、ただ、殺されるのを待つだけなのか?
 いや、それは違った。
 弱者は弱者なりに強者との戦いに備えて準備出来るものがいろいろとあった。
 その最たるものが【鉱物巨兵(こうぶつきょへい)】と呼ばれるものだ。
 これは鉱物で出来たロボットの様なものと答えるのが最も近い回答であると言えるだろう。
 正確にはロボットではなく、ファムトゥのエリアに存在する特殊な鉱物の効果で動くものなのだが。
 化獣(ばけもの)の勢力の中でその巨体で有名なのはなんと言っても4番の化獣クルムレピタークの所有する巨大生物兵器、【巨獣徒(きょじゅうと)】であり、もっとも数が多いとされるゴブリックは大体4、50メートルくらいの体長があるとされている。
 【鉱物巨兵】もそれと同等の大きさから倍の100メートルくらいの大きさまであると言う。
 【バトル】は正式な【死合い(しあい)】として行われ、弱者が強者と戦う場合、この【鉱物巨兵】を操縦して戦う事も認められているという。
 ファムトゥのエリアでの弱者とは普通に暮らしている住民達の事を指し、強者とは何らかの力を持った存在を指す。
 つまり、一般人もまた、【バトル】をする場合もあるという事だ。
 聞いて見ると一般人も基本的には【バトル】を恐れていない。
 それよりも雌雄を決する神聖なものだととらえている者の方が多かった。
 ――そう、ファムトゥのエリアにおいての【バトル】とは野蛮なものではなく、聖なる儀式としてとらえられているのだ。
 郷に入っては郷に従え――カノン達もファムトゥのエリアにとっては神聖なこの【バトル】を挑まれたら避けるのは難しい事であるのかも知れなかった。
 百聞は一見にしかずとも言う。
 まずは、【鉱物巨兵】というものがどのようなものかを見てみる事にした。
 カノン達が勝負を挑まれた場合、やはり、この【鉱物巨兵】を利用する事になる場合も考えられるからだ。