レマのエリアに行けば、カノン達が乗ってきている【飛行移動装置】ごと積める大型の【光車】も走っているらしいが、ソリイントゥスのエリアのものは小型なので、住民達からそれを聞いた時、正直、どうしようかと思っていたのだ。
 ソリイントゥスのエリアの【光車】は大体二日で一回りするらしいので、それまでにカノン達は【禁存館】をある程度、把握したいと思っている。

 【ロスター】氏は【禁存館】に入った。
 【禁存館】とは名前がついているが、最も規模が小さいので、大きさとしてはごく普通の一軒家の2、3倍の大きさという小さな建物だ。
 二階建てになっていて、一階の部分はロビーのようになっている。
 一階の中央にらせん階段があり、それを昇っていくと二階に出るという作りで、二階の部分は三階分の高さがある。
 天井には巨大なシャンデリアがありそれは宙に浮いている。
 シャンデリアの上の天蓋(てんがい)の部分には大きな宗教画のような絵画があるが、それは普通の絵画だ。
 他にも二階にはロココ調の調度品を思わせるようなものが所狭しと置いてあるがそれも関係無い。
 他の調度品が飾られているのはこの規模でもたまに、関係者を集めてサロンが開かれる事もあったので、その名残りだという。
 二階の四方の壁一面に飾られた四つの大きな絵画――それが【禁存】が封じられている【封禁物(ふうきんぶつ)】と呼ばれるものだ。
 この四枚の絵画にそれぞれ、一名ずつ【禁存】が封じられている。
 ソリイントゥスのエリアの美術品などはそのまま、【禁存】を封じる道具としても使われている特別製のものが多く、絵画だけでなく、彫刻などにも封じられている場合もある。
 絵画や彫刻と一口に言っても現界で見られる絵画や彫刻とは少し違う。
 ソリイントゥスのエリアの絵画や彫刻は動くのだ。
 なので管理が必要となる。