カノンはそれらの体験を通して感じるものがあった。
 トルムドア・ワールドに限った事では無いのだろうが、クアンスティータの所有する宇宙世界では一般的な住民達はみんな共通して毒が少ないという印象を受けた。
 毒は毒でも【悪意】という意味での毒の話だ。
 存在している者はどこか純粋な印象を受ける。
 現界では当たり前である裏の顔を持っているという感覚が感じられない。
 素朴でいい人ばかり――そんな感じだ。
 歌う事により、人の気持ちに触れる力を持っているカノンは特にそれを感じた。
 接しているとみんな親切で心が温かい気持ちになる。
 惑星アクアの時の様な悪意を隠して近づいて来るという気配が感じられない。
 居心地の良さのようなものを感じとっていた。
 悪意を持つ存在が存在しにくい宇宙世界――それがクアンスティータの所有する宇宙世界なのだろうと思った。
 幸せそう――それがカノンが住民達に対して抱いた印象だった。
 親しくなった演者達はソリイントゥスの印象も答えてくれた。

 演者達の説明によると、第二側体クアンスティータ・ソリイントゥス――第二本体クアンスティータ・ルーミスの従属側体にして、変わったものが好きという変わり者タイプの側体らしい。
 逆に、普通のものというものが嫌いらしい。
 それがわかっただけでも収穫と言える。
 【似面】鑑賞は大きな成果だと言えた。
 演者達との別れを惜しみ、カノン達は次の立ち寄り場所を目指して進んだ。