すると、
 パチパチパチパチ……
 と拍手が巻き起こった。
 住民とのつかみはオッケーというところだ。
 トルムドアのエリアで買って置いた食材を使って調理した食べ物を配り、住民達と打ち解けて行く。
 カノンがよく惑星アクアで使っていた方法だ。
 これはトルムドア・ワールドでも有効のようだ。
 そして、世間話をしながら、このソリイントゥスのエリアの特徴を聞き出す。
 カノンは、
「このエリアの特産品とかそういうものは何でしょうか?」
 と聞き、【ゆのあ】も、
「このエリアの特徴とかでも良いんですが。私達、ここに来たばかりで何も知らないので、気をつけなきゃならないこととかありますか?」
 と聞いた。
 すると、住民は、
「そうだなぁ、このエリアの特徴としては芸術家が多いって事かな?――と言っても本家であるソリイントゥス・ワールドじゃないから小規模だけどね。このエリアでは十三大画伯というのが居て、その13名を中心にこのあたりにある星より大きな【芸術】作品を作っているかな?後は、そうだなぁ……似面(じめん)とかも盛んかな?」
 と言った。
 【似面】――聞いた事のない単語だ。
 聞いて見ると地球風で考えると能の様なものらしい。
 何かのキャラクターを模した面をかぶり、芸をするという伝統芸能らしい。
 機会があれば覗いてみたいなとカノン達は思った。
 他の住民は、
「後、お前さん達、注意しなきゃなんねぇのはなぁ、なんと言っても【禁存館(きんそんかん)】には近づいちゃなんねぇぞ」
 と言った。
 【禁存館】――やはり、聞いた事のない単語だ。
 何でも【禁存(きんそん)】と呼ばれる危険な存在を封じている所らしい。
 【禁存】は芸術作品として、封じられて展示されているらしいが、特別な許可無しに近づかない様にルールが定められているらしい。
 以前は、自由に出入りが出来たらしいが、【解放者(かいほうしゃ)】と呼ばれる、【禁存】を解放させて倒したり、封じなおしたりする不届き者が出るようになったらしく、出入りのチェックが厳しくなったらしい。
 【芸術】作品は【禁存館】だけに限ったことではないし、芸術鑑賞をするなら他の所を回るのが無難だと言うことだ。
 だが、ソリイントゥスとの交渉に向かうカノン達にとっては、やはり、ソリイントゥスのエリアの特徴の一つである【禁存館】や【解放者】達にも少しは触れておかないと交渉の材料としてはちょっともの足りない。
 ご忠告痛み入るけど、それに従う事はちょっと出来ないかも知れないと思うカノン達だった。
 だけど、【禁存館】が住民達が注意するほど危険な所だという事は理解した。
 カノン達は他の住民などの住む場所も周り、同じような事をしながら情報を集めていった。
 何をするにしてもまずはこのエリアの情報が必要不可欠となる。
 情報を集めて、その上で、次の行動を決める事にした。