それが功を奏したのか、カノンの一人勝ち状態となった。
 多くの音を表現した事でより多くの力が彼女に付与されたのだ。
 やはり、同じルーキーでもカノンの場合は歌姫などでの舞台度胸が備わっていた分、思いっきりやれたという所だろう。
 この大会はカノンの優勝となったが、これはあくまでも基礎中の基礎の大会である。
 他の大会も同じように行くとは限らない。
 それはカノンも承知している。
 今回のはあくまでも体験しただけに過ぎない。
 これからこの【シンガーファイター】でどうのこうのするという話ではない。
 トルムドアと会う時のために話題作りのために体験したのだ。
 トルムドアとは勝手知ったる仲にはなりつつあるので問題は無いが次のソリイントゥス以降はこうやって、側体との【コンタクト・ポイント】にたどり着く前に側体の特徴となるものを経験する事がその後の交渉の重要な材料となり得るのだ。
 それを練習する意味でもトルムドアとの会話で出ていた【奉崇歌】関係の体験をしたのだった。
 簡単ではあるが、体験も果たしたので、いよいよ、最初の目的地であるトルムドアとの【コンタクト・ポイント】を目指した。