戦う前に基本的な音の出し方から学び、その成果を試す大会という形で、【ラウルハーン部門】というのがあるのだ。
 カノンは【ゆのあ】達の付き添いで、道場に通い、基礎的な音の出し方を学んだ。
 覚えて見れば、確かに無言歌を歌えたカノンにとっては簡単だった。
 最初、コツをつかむのに多少、苦労したがコツさえつかんでしまえば余裕だった。
 カノンが参加したのはバトルロイヤル形式の戦闘スタイルだった。
 とにかく【奉崇歌】で自身の力をアップさせて押し出すというものでカノンを含めて37名が参加していた。
 みんな【シンガーファイター】の卵達だ。
 カノンと同じ新米ファイター達の間での戦いだ。
 試合開始と同時にそれぞれの【シンガーファイター】達は【奉崇歌】を体からにじみ出させていった。
 みんな基本に忠実だった。
 基本とは【ラ】と【ル】と【ー(音引き)】だけを用いて歌うという方式だ。
 これならば、
「♪ララルーララルーララルラララルーラーラー♪」
 とか、
「♪ラララーラ ラーラララーラルールルルー♪」
 等の様にこれだけの組み合わせでもいくらでも基礎的な【奉崇歌】をアレンジ出来る。
 カノンだけは、他の選手と同じ事をしていては勝てないと考え、
「♪ハー……ララルーン
 ルーン ルーン
 ウウウウウウウ
 ラララララルルルルーン
 ルルルルルラララ
 ラララルルル
 ウウウウウウウ
 ララルーン ルーン ルーン

 ララルーン
 ルーン ルーン
 ウウウウウウウ
 ラララララルルルルーン
 ルルルルルラララ
 ラララルルル
 ウウウウウウウ
 ララルーン ルーン ルーン
 ラララララ

 ルルルルルラララ
 ラララルルル
 ウウウウウウウ
 ララルーン ルーン ルーン
 ララララララララララ……♪」
 と出来るだけの音を使って表現した。