カノンがこの【ドリーム・ルーム】で知った事はほんの僅かでしかない。
 クアンスティータにはまだまだ隠された秘密があふれている。
 だが、先に進むためにはここで一旦、区切らねばならない。
 彼女は【夢】を中断し、目を覚ました。
 個室を出て来た時、【ゆのあ】もちょうど出て来た所だった。
 彼女は彼女で表の歴史について知り、同じようにクアンスティータの底なしさ加減を知ったのだろう。
 どこか惚けたような表情をしていた。
 それはカノンも同じ事だったが。
 恐らく、【ゆのあ】もこの先に進むため、【夢】を中断して来たのだろう。
 カノン自身も知らない表の歴史のクアンスティータの情報も見聞きしたのかも知れない。
 楽しそうだったのはひたすら良い夢を見てきた【まめぽん】くらいのものだろう。
 【まめぽん】は、
「まだまだ見たりないタヌ。もっとみたいタヌ」
 と言っていた。
 彼はそれで良いのだろう。
 カノン達が見た事は、純粋な小動物【まめぽん】は知らなくても良いことだ。
 とりあえず、トルムドア・ワールドでの目的である【ドリーム・ルーム】を体感出来たカノン達は、先に進む事にした。
 まだ、第一の目的であるトルムドアとの【コンタクト・ポイント】にすらたどり着いていない。
 これはまだ、他の側体との交渉の練習となるトルムドアと会うための旅にすぎないのだから。
 カノン達はそれぞれ、【飛行移動装置】に乗り込み、出発した。