だが、それも例外はあれど、基本的にはトルムドアが出す物なので、それを持っているというのはそれだけで何かある存在であると言えるのだ。
 すると、どういう理由でトルムドア・ワールドに来たかが、気になる。
 トルムドアは何も言っていなかった。
 言い忘れていただけかも知れないが。
 カノンが感じたトルムドアの印象は結構うっかり屋さんという印象だった。
 結構、思いつきで行動する節があったので、この事もうっかり言い忘れていたのかも知れない。
 カノンはとりあえず、目の前の未確認飛行物体に近づく事にした。
 危険かも知れない――一瞬それもよぎったが、カノンは思い直す。
 カノンはトルムドアに歓迎されてこのトルムドア・ワールドに来ているからだ。
 そんな彼女に害をなそうとする存在を招き入れるとは到底、思えなかったのだ。
 話せばわかるかも知れない――
 それがカノンのモットーだ。
 これは再三、七英雄達などにその考え方は危険過ぎるから止めろと言われているのだが、基本的にカノンは相手を信じたいタイプなのだ。
 この考え方はカノンがクアンスティータに気に入られて居なければ破綻していただろう。
 それだけ危うい考え方だ。
 相手を信じるという事はクアンスティータという絶対的なバックがあるからこそ、成立している事と言っても良い。
 話しても通じ合わない存在など、山ほど、星の数ほどいるのだから。
 カノンは相手に好かれやすいという才能を持っているからこそ成立している事とも言える事でもある。
 だから、それを止める役目を果たす者が必要だった。
 ――今までは。
 だが、今は居ない。
 カノン一人で判断して行動しなくてはならない。
 何が起きてもそれは彼女の責任。
 その責任を背負って行かなければならない。