03 沖椰子 ゆのあ(おきやし ゆのあ)との出会い


 カノンはトルムドアと別れ、トルムドアとの【コンタクト・ポイント】である地点を目指して進んでいた。
 【コンタクト・ポイント】と一口に言っても、それぞれの【コンタクト・ポイント】はそれぞれ、現界よりも大きな宇宙の中に存在するので、生身のままでの行動では不可能だ。
 そこで彼女は早速、一つ目の発明をする。
 クアンスティータ学を応用して考えた【飛行移動装置】を作ったのだ。
 簡単に説明すれば、キャンピングカーのような【飛行移動装置】だった。
 材料として、トルムドア・ワールドの物を使用しているので、現界で作る発明品とはスケールが違った。
 現界では不可能であることもこのトルムドア・ワールドでは可能となっていた。
 これで、普通に生活をしながら、目的地まで進む事が出来る。
 【オーケストラコーラスダンサロイド】は小さくして収納する事が出来るために、カノンは3機とも小さなバッグに収納して運んでいる。
 右肩には、【ミューズ・アニマル】の【ピア】、左肩にはまめぽんを乗せてがカノンの基本スタイルだ。
 つまり、現時点のメンバーはまとめてカノンと一緒にくっついて行動しているという事になる。
 その状態で【飛行移動装置】を動かして進んでいるのだが、それだと、カノンは研究や発明が出来ないので、普段は自動運転にさせている。
 しばらく自動運転にさせたままにしていると、確認アラームが鳴った。
 確認アラームとはカノンが【飛行移動装置】に取り付けた機能の一つで、この装置に取り付けられたAIが自動検索をしながら飛行し、カノンが興味を持ちそうなものや危険などが起きた場合、この確認アラームが鳴るようにセットされていたのだ。
 カノンは就寝中だったが、すぐに起きてモニターを確認する。
 すると、遠方に未確認飛行物体があるとの事だった。
 トルムドア・ワールドに居るのだから、全ての飛行物体が未確認なのだが、この場合の未確認とはトルムドア・ワールド以外から来た何かの反応を示していた。
 同じ空気とは言わないが、トルムドア・ワールドの中のものはある程度、同じ要素が混じっている。
 これもトルムドア・ワールドの全てを知っている訳では無いので確実ではないのだが、それでも、カノンが今までトルムドア・ワールドで見聞きしていた要素と別の要素があるのは確実だった。
 カノンはトルムドア・ワールド内の素材を使ってこの【飛行移動装置】を作る事により、トルムドア・ワールド外から来た要素に反応する様に確認アラームシステムを作っていたのだ。
 つまり、完全にとは言わないが、遠方にある未確認飛行物体がトルムドア・ワールド以外から来た可能性があるという事を示している。
 それは通常ではあり得ない事だった。
 カノンは特別にトルムドアによってトルムドア・ワールドに招待されたが、そうでない場合は、クアンスティータ・パスポート(QP)という物が必要となる。
 これはクアンスティータの所有する宇宙世界への通行、存在許可証のようなもので、これがあるとクアンスティータの宇宙世界に行けるのだが、クアンスティータが所有する宇宙世界の数は、24存在する。
 つまり、【QP】の数も24あるのだ。
 外部の者がトルムドア・ワールドに入りたければトルムドアの【QP】を取得する必要がある。