やばすぎる存在、【ロスク】――
 その脅威まで、どんどん近づいていた。
 タティーは祈る。
 今度こそ、駄目かも知れない。
 でも、生きて帰ったら素敵な恋をするんだと。
 タティーはまだ、結婚→引退を諦めていない。
 こんな怖い思いをして、そんな怖い存在と戦って散るなど彼女のプランには無いのだ。
 素敵な男性と知り合って、素敵な恋をして、そして、結婚、引退。
 それが全てだった。
 もしかしたら、【エニグマ】がその相手になるかも知れないと思うようになって来たのに、こんな事で死にたくない。
 タティーは自分が絶対、
 助かる、助かる、助かる、助かる、助かる、助かる、助かる、助かる、助かる、助かる、助かる、助かる、助かる、助かる、助かる、助かる、助かる、助かる、助かる、助かる、助かる、助かる、助かる、助かる、助かる、助かる、助かる、助かる……
 と何度も連呼して自己暗示をかけた。
 タティーの必勝スタイルだ。
 いつものように不安に思いながらも結果的にはなんとかなる。
 そういうパターンで済む事を必死で祈るのだった。
 ――神様、お願いします。何度目かのお願いですが、私、幸せになりたいだけなんです。他には何も望みません。ですから……
 困った時の神頼みだった。
 だが、クアンスティータはどちらかと言えば神とも敵対している立場だ。
 その祈りが届くかどうかは甚だ疑問ではある。


続く。