05 【ロスク】の気配


 タティー達は【ヴィホヂット】と一度は【ヴィホヂット】に置いて行かれた【リーチェニー】と【アイリーン】を拘束し、お皿型の浮遊装置で帰宅の途につく。
 無事に解決した事に安心したタティーは――
 チャポン
「ふぅ。……落ち着くなぁ~……」
 といつものお風呂タイムを取った。
 今までどんなに窮地に追い込まれてもこの一日一回のお風呂タイムだけは欠かした事が無かった。
 ことある度に入っていた。
 そして、ことある度にドスケベ四人衆プラス1にお風呂を覗かれ、彼らは【クインスティータ】に捕まり、【ヴェルト】に突き出され、お尻百叩きの刑、【リセンシア】に突き出され、【地獄の仲人】の刑を受ける事になる。
 いろいろあったが、このいつもの、
「「「「「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ許してぇぇぇぇ、許してくださぁぁぁぁぁぁぁいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ……」」」」」
 との悲鳴で締めくくられる光景が平和の象徴だったと言えるだろう。
 このいつもの光景を再現するために、その間の困難に立ち向かって行ったと言っても過言では無いだろう。
 そんな旅もタティーが特殊警察に着いたら終わってしまうのかと思うと少し寂しい気にもなるのだった。
 だが、問題が全て解決されたかというとそうでも無かった。
 【789番ヴェール】が起動する事は二度と無くなったが、【ヴェール】は【789番】一つではない。
 他にも【ヴェール】の起動キーは999も存在し、闇コス大会の優勝賞品などのように闇取引などで売買などもされている恐れもある。
 三桁の【ヴェール】だけでもこれだけ大騒ぎになったのだ、二桁や一桁の【ヴェール】が起動してしまったら、騒ぎはこの比ではないだろう。
 それに、【ヴェール】はこの惑星ファーブラ・フィクタの三大禁忌の一つに過ぎない。
 つまり、【ロスク】と呼ばれる偽クアンスティータになれなかった怪物と名前すら伝えられていない他の脅威がこの惑星にはまだ、存在しているのだ。
 【ヴェール】の様に、タティー達の冒険にどこかで関わって来るかも知れない。
 先の未来はタティーにもわからないのだ。
 先の事はわからない。
 タティー達は、自分達の出来る範囲の事をやっていくしかなかった。

 そんなタティー達が帰る先、特殊警察では【ロスク】問題の報告が上がっていた。
 【ロスク】――【ロス・Q(クアンスティータ)】――偽クアンスティータになれなかった怪物。
 その多くは、現界の宇宙世界に1億5000万体以上存在し、現在、他の偽クアンスティータ達が始末をしている最中だ。
 だが、それは、惑星ファーブラ・フィクタにも数十体居るとされているのだ。
 見つけ次第、排除命令を出すほどの極超危険指定の存在――それが【ロスク】だった。
 タティー達が惑星ファーブラ・フィクタの安全面を守る担い手だとすると、【ロスク】との衝突は避けられない事と言って良かった。
 【ヴェール】の様に起動さえさせなければ問題ないものとは違う。
 【ロスク】は惑星ファーブラ・フィクタ内に確実に存在しているのだから。
 見つかったという事は動いているという事でもあるのだ。