【クインスティータ】は、
「タティーさん、そこの愚か者(【ヴィホヂット】)は後で罰するとして、まずは、【ヴェール】を止めるのよ」
 と言った。
 言われるまでもなく、動き出した【ヴェール】を野放しには出来ない。
 最優先事項として、まずは、この【789番ヴェール】を止めなくてはならない。
 だけど、タティーの力がどれだけ通じるかは不明だ。
 こういう緊迫した状況は【クインスティータ】に任せたいところだが、クアンスティータ学を基本のベースとして動いている【ヴェール】相手にはきついだろう。
 【ヴェルト】や【リセンシア】、ドスケベ四人衆プラス1の力を借りても苦しいのは変わらないだろう。
 理由は全く訳のわからない力で動いているからだ。
 数の有利がそのまま有利になるとは限らない。
 この中で唯一、対抗手段を持っているのはタティーのみ。
 タティー以外は居ても邪魔になるだけだ。
 それは、来てすぐに千角尾で探ったから確かなことだった。
 何が何でもタティーが出て止めるしかない。
 フルテララの星見では7割の確率で止められると出ているがそれはタティーは知らない。
 タティーは五分五分だと聞かされているからだ。
 つまり、半分は負けてしまうかも知れないと思っているのだ。
 これが前向きな性格の者だったならば、少しは勝つ確率を上げられるだろう。
 だが、タティーは後ろ向きな考えの持ち主だった。
 上げるどころか確率を下げるような妄想をしていた。
 タティーが考えて居るのはまたしても人間だった頃の思い出だ。
 今回のバージョンは、頼まれ事編だ。
 人間だった頃のタティーはよく頼まれ事をした。
 無理矢理、押しつけられたと言っても良い。
 なので、よく用事のダブル、トリプルブッキングなどもあった。
 無理矢理、頼まれただけなのに、それらの頼まれ事がこなせなくて後で文句を言われるという事もしばしばあったのだ。
 それを考えるとまた憂鬱になる。
「はぁ……」
 ため息が漏れる。