04 【ヴェール】起動


 その頃、【ヴェール】の起動キーを持ったまま、【ヴィホヂット】は悪行に悪行を重ねていた。
 【カルメン】がさらってきた闇コス大会の優勝者達を使って、美人局の様な真似をして資金を稼いでいた。
 理由は【ギルティーヤ】に居る3名の元、女従官達を買収するための資金作りだった。
 女従官達は金に弱いと決めつけていたのだ。
 悪の連鎖なのか、【ヴィホヂット】の配下となった女の子達は次々と悪事に手を染めていた。
 その間にも【ヴェール】の起動キーは禍々しさを増していった。
 まるで、【ヴィホヂット】の悪行に対して、怒りの感情を持っているかのように。
 そして、ある日、突然――それは起こった。
 ついに沸点を超えたのだ。
 大きな光の柱が立つ。
 その中心には【ヴェール】の起動キーが。
 【ヴィホヂット】は突然の出来事に、
「何よ、何なのよ、これは」
 と文句を言った。
 自分の悪行が原因だとは夢にも思っていない。
 だが、【ヴェール】の敵意は【ヴィホヂット】に向けられる事になる。
 存在達の噂話をエネルギー原として、形が定まって居なかった【ヴェール】――それが動き出すために形を持とうとしていた。
 【ヴェール】の起動キーの周りに無数の画像が映し出される。
 それらはパパパと、ものすごい動きで映り変わっていった。
 姿形を検索しているのだ。
 その中で最も適していると思われる姿を形取る。
 その姿は男でも女でも無い無性生命体のような姿だった。
 クアンスティータもカノン・アナリーゼ・メロディアスという女性を元に姿形を決める事になるのだが、元々は無性生命体であり、両性具有(りょうせいぐゆう)ではない【おんこ】という性別となっている。
 出て来た【ヴェール】もそれに近い性別と言えた。
 素っ裸だが、男としての特徴も女としての特徴もない姿だった。
 左の胸元には三桁の番号のようなものがある。
 つまり、三桁番号の【ヴェール】であるという事だ。
 番号は【789】番だった。
 ここに【789番ヴェール】が誕生した事になった。
 【789番ヴェール】は左右上下を確認する。
 惑星ファーブラ・フィクタがどのような世界なのか確認しているのだ。
 そして、【ヴィホヂット】を確認する。