姉さんとはタティーの事を指す。
 タティーの子分である【ヴェルト】は彼女の事を【姉さん】と呼んで慕っているのだ。
 【クインスティータ】は、
「う……それを言われますと……」
 とたじろいだ。
 それを聞いたフルテララには少しほほえみが……。
 どうやら、この展開になることがわかっていたようだ。
 解決(犯人を突き出す事)をじらし、【クインスティータ】をいらつかせ、それに焦ったタティーが提案するという図式が見えていたようだ。
 フルテララ――偽クアンスティータを利用するとは大した器だ。
 伊達に土の最大神殿を取り仕切っている女性では無いなと感心する【エニグマ】だった。
 ――そう、フルテララの腹芸を見抜いていたのは【エニグマ】一人だった。
 それに気づかないタティー達は未熟者と言えるだろう。
 【エニグマ】だけが見抜いたという事にフルテララも気づいているのか彼に対してほほえんだ。
 結局、3名の犯罪者は一度は最大神殿を破門になったのだが、フルテララのテレパシーを受けて、火、風、水の神姫巫女達がそれぞれの最大神殿の中間地点である町、【ギルティーヤ】に待機させているという事がわかった。
 こうなる展開がわかっていて、あらかじめ準備していたのだ。
 なんとも手回しの良い事である。
 何となく、フルテララの手のひらの上で転がされている様な感じとなった。
 それに気づかない【クインスティータ】は、
「わかりましたわ。とりあえず、その【ギルティーヤ】という町までその3名の罪人を引き取りに伺いますわ」
 とやる気だった。
 確かに、その3名の罪人を処分すれば、この旅の目的は達成した事になる。
 口から出任せを言ってしまったが、その3名達と協力して今度は【ヴェール】の方をなんとかしなくてはならないと思うと憂鬱になるタティーだった。
 タティーはまた人間だったころを思い出す。
 今度は夏休みの宿題編だ。
 タティーは宿題を夏休みの最初の内に大体、やっていた。
 宿題は先にやるタイプだったからだ。
 だが、その後も、
「宿題やったんでしょ、写させて」
「宿題一緒にやろう」
「宿題みせろ」
 等とそれまで付き合いの無かった者もタティーの家にやってきて、タティーのやった宿題を写すと見せかけて、彼女の家のもので遊んで帰って行った。