タティーが、見た、フルテララ――
 それは、禊ぎを済ませた後というのもあるだろうが、恐ろしいほどの神々しさを感じさせる女性だった。
 本来、自分では目通りすらかなわないはずの雲の上の上の更に上の様な存在。
 それが、フルテララに感じた印象だった。
 クアンスティータの偽者という立場で無ければ近づくどころか見る事さえかなわない存在。
 それを目の当たりにして、タティーの緊張はマックス状態に達し、それを振り切った感じになった。
 あぁ……
 と言って、ふらつく。
 立って居るだけで足がガクガクする。
 場違いだ。
 完全に場違いだとタティーは思った。
 これから、この女性に対して、調査をしなくてはならないのかと思うと本当に気が遠くなりそうだった。
 そんなタティーの緊張を余所に、フルテララは、
「初めまして、皆様。私が土の神姫巫女、フルテララです。よろしくお願いいたします」
 と言った。
 そして、【クインスティータ】に小突かれ、タティーが、
「こ、ここ、こちらこそ、はじめましてん……私、タティー・クアスンと申される……べきでござる」
 と、もはや何がなんだかわからない言葉を発した。
 それを聞いた【クインスティータ】は、
「あぁ、もう、台無しですわ」
 と嘆いていた。
 そう言われてもタティーにはこれがいっぱいいっぱいだったのだ。
 あぁ、出来るものなら、ここから逃げ出したい。
 タティーはそう思ったのだった。


続く。