タティーは、
「きゅ、急にそんな事を言われても……」
 と少々戸惑ったが、元はと言えば、タティーにも原因があることだったので、【エニグマ】について戦う事にしたのだった。
 ドスケベ四人衆も【エニグマ】は同好の士として、共に戦う事を決意したので、抗争が激化していた。
 【エニグマ】領の配下も【エニグマ】支持派と五将支持派に別れて分裂し、【エニグマ】領全体を巻き込む抗争となってしまっていた。
 だが、【エニグマ】派3に対して五将派は5と多く、次第に【エニグマ】達は敗走を余儀なくされていた。
 【ヴェール】の力さえあれば、逆転出来るとは思っても、それは今は無い事。
 すなわち無いものねだりに過ぎない。
 タティーの自動防御によって、敵もある程度までしか攻撃出来ないという状態とは言え、これ以上戦えば、いたずらに【エニグマ】支持派の貴重な命を散らせることになる。
 なので、【エニグマ】が決断する時が来たようだ。
 彼は領主として、この争いを終息に向けて行動しなくてはならない。
 これ以上の勢力減退は、【エニグマ】領の力を激減させる事になる。
 そうなれば他の領主に攻め込まれる可能性だってあるのだ。
 惑星ファーブラ・フィクタの領主は【エニグマ】だけではないのだから。
 者喰い王頂上戦の発祥の地として、滅びの道をたどる訳にはいかないのだ。
 【エニグマ】は正式に領主の座を降りた。
 もはや、領主ではない。
 ただの【エニグマ】だった。
 領土を治めるつもりの無い【エニグマ】がこれ以上領主の座に居座っても不満が募るだけだ。
 ならば、領主の座を降り、五将の誰かに領土を任せた方が良策だと考えたのだ。
 【エニグマ】は、
「これからは、領主、【エニグマ】じゃねぇ。ただの【えーちゃん】だ。改めてよろしくな」
 とタティーに言った。
 領主となることよりもタティーへのアプローチを選択した男の笑顔に思わずぽっとなるタティーだった。
 自分のためにそこまでしてくれたというのが正直、うれしかったのだ。