それはすぐに怒りに変わり、【化けの皮】を剥がしてやると思うようになったのだ。
 偽者とは言えクアンスティータなのだから、普通の存在ならば恐れて当たり前の存在であるタティーなのだが、【ヴィホヂット】にとっては、タティーがいじめられっ子だったという過去がプライドを傷つけたということになったのだ。
 それはつまらないプライド、意地ではあるのだが、【ヴィホヂット】にとっては自分の小さなアイデンティティーが犯される危機でもあった。
 だから、【ヴィホヂット】はタティーを困らせるために行動していた。
 奪った【ヴェール】の起動キーも実は、どのように使えば良いのかほとんど理解していなかった。
 ただ、奪えば、タティーが困ると思ったから奪っただけなのだ。
 嫌がらせをしただけなのだ。
 また、タティー同様に【クインスティータ】や【ヴェルト】、【リセンシア】の事もあなどっていた。
 【クインスティータ】は偽クアンスティータになりたくてもなれなかった落ちこぼれ。
 【ヴェルト】と【リセンシア】は特に目立った力の無い無個性な存在として認識していた。
 つまり、タティーのチームは全員、なめられているという事なる。
 【ヴィホヂット】は自分より下だと思った者には容赦がなかった。
 格下は格下なりに自分より目立つな。
 それが、【ヴィホヂット】のルールだった。
 全くの小者の発想である。
 器の小さな悪女【ヴィホヂット】はこうして行動していた。

 七大ボスはものすごく魅力的だが、自分の手には余り過ぎる。
 だから、自分の手のひらで転がせるちょうど良い相手、それを自分の手下として取り込もうと考えて居た。
 そうやって、【リーチェニー】と【アイリーン】を取り込んできたのだ。
 自分が利用しやすい相手を探して手下にする。
 それが、自分の格を上げる事だと思っていた。
 迷惑な女である。