03 風来坊のえーちゃん


 【ヴィホヂット】を追いながらとある領域にまで行ったタティー達は立ち止まる。
 ここから先は領主がいる領域になるからだ。
 【エニグマ】と言う領主が五将と呼ばれる側近達と共に支配している独立国家の様な場所だった。
 いかに特別警察と言えども無許可で侵入すればただでは済まない領域と言えた。
 【クインスティータ】は、
「回り道しましょう。ここは特別警察の力が及ばない領域です。クアンスティータ様の勢力として逃げる訳には行きませんが、ここはまず、【ヴェール】の行方が最優先ですわ。【ヴィホヂット】と【エニグマ】の両方を敵に回すのは得策ではありませんわ」
 と言った。
 それを聞いたタティーは言おうかどうか迷った。
 実は、千角尾を使って【ヴィホヂット】の足取りを探索してみると、【ヴィホヂット】はどうやら、【エニグマ】の領域に逃げているらしいというのがわかっていたからだ。
 つまり、【ヴィホヂット】が【エニグマ】の領域を出ない限りタティー達は捕まえられないという事になるのだ。
 【ヴィホヂット】が【ヴェール】の起動キーの使用法を理解する前に、彼女を捕まえなくてはならないが、【エニグマ】の領域はタティー達にとっても危険な領域となる。
 面倒事は避けて通りたいタティーだが、それだと、いつまで経っても【ヴィホヂット】は捕まえられない事になる。
 恐らく、それがわかっているからこそ、【ヴィホヂット】は【エニグマ】の領域に逃げたのだろう。
 狡猾な彼女の事だ。
 【エニグマ】に取り入っているかも知れない。
 うーん、困った。
 どうしよう?
 結論が出ない。
 タティーは頭をひねって考えた。
 だが、やはり答えは出ない。
 こんな時はやっぱり、お風呂だ。
 お風呂しかない。
 タティーはそう思い、脱衣所でいそいそと服を脱ぎ始めた。
 【クインスティータ】は、
「またですの?毎回、覗き魔を捕まえる身にもなって欲しいですわ」
 と言った。