クアンスティータ学の知識を利用して作った存在であり、ブラックボックスの多い存在であるというのは人々が噂する都市伝説などを吸収し、一つの(あるいは複数の)形をなそうとしている存在の様なもの――それが【ヴェール】だと言うのだ。
 つまり、【ヴェール】が何者かというのではなく、【ヴェール】はそうやって噂話を吸収し、大きくなっていくもの。
 何者かと何者ではないというのは現在では、等価値の存在。
 それが、【ヴェール】だという。
 噂では【ヴェール】には0から999番までの番号が割り当てられていて、全部で1000の【ヴェール】があるというのもある。
 三桁より二桁、二桁より一桁の番号が割り当てられている【ヴェール】の方がより、やばい【ヴェール】であるとも。
 【ヴェール】の起動キーとはそれらの噂話のエネルギーを実体化させるキー。
 それまでたまった噂話のエネルギーは想像出来ないくらい膨大であり、だからこそ、起動キーは恐れられているのだ。
 【ヴェール】の起動キーで実体化させた【ヴェール】は起動させた者の言うこと等聞かない。
 破滅をもたらすだけだとされているのだ。
 それを聞いた【クインスティータ】は所有する事から処分する方向で考え出したのだ。
 それは普通の存在が扱ってよい代物では無いと判断して。
 だが、悪女【ヴィホヂット】や、【ヴェール】を求める者達に話してもそれは聞かないだろう。
 自分達から奪おうとそんな嘘をついていると判断するだろう。
 だからこそ、タティー達は力ずくでも【ヴェール】の起動キーを奪わねばならなかった。
 全てはクアンスティータの誕生する予定宇宙である現界を守るために。