盗賊Jは、
「確か、選手でも出てた【ヴィホヂット】って女です。俺、大会見てましたから。失格になった高慢ちきな女として印象に残ってたんです。……本当はその連れの子が可愛かったからですけど……」
 と言った。
 連れの可愛い子とは【リーチェニー】の事を指す。
 【ヴェルト】が
「あの、バカ女、またか……」
 と言った。
 【ヴェルト】と【リセンシア】がコンビを組んでやっていた時もずいぶん邪魔をされていたので、またかと呆れたのだ。
 【クインスティータ】は、
「わかりました。ありがとう。そこまでわかれば十分ですわ。【ヴィホヂット】から、【ヴェール】の起動キーを取り戻しますわよ」
 と言った。
 タティーは、
「なんか危なそうなアイテムだし、あげちゃっても良いのでは?」
 と言った。
 タティーとしては別に欲しくはないのだ。
 【クインスティータ】は、
「何をおっしゃいますの。あれは、私達が勝ち取ったものなんですのよ」
 と言った。
 違います。
 私ががんばって優勝して手に入れたものです。
 あなたは私を脅していただけですとは言えなかった。
 優勝した本人が欲しくないのだが、タティー達一行は【ヴィホヂット】を追う事にした。
 追われていた立場から追う側に転じる事になってしまった。
 あぁ~嫌だなぁ、
 面倒臭いなぁ~と思うタティーだった。
 これ以上は無駄と盗賊達を普通の警察につきだしてから、タティー達一行は【ヴィホヂット】の足取りを探るのだった。
 タティーは最大神殿はどうなっちゃったの?
 と思ったのだが、【クインスティータ】は最大神殿に着く前に手に入れておく予定だったアイテムが盗られてしまったので、それどころではなかった。
 最大神殿までの道案内が出来る【クインスティータ】が目的地を変更してしまったらタティー達は、それに従うしかない。
 本当に面倒臭いが寄り道をしていこうという事になった。
 最大神殿が遠ざかる。
 一体、いつになったら、たどり着くのだろうか……
 タティーはこの先の展開が読めなくなったことに不安を覚えるのだった。
 タティー達の旅は続く。