タティーは招き猫のようなポーズを取り、
「うにゃんっ」
 と言った。
 ノリノリだった。
 楽しくやっているようだ。
 どうやらコスプレの楽しさに目覚めたようだ。
 【獣人にゃんこ】は正義の味方キャラクターでその変幻自在な動きで敵を惑わすというものだった。
 見えそうで見えない下着も魅力の一つとされている超人気キャラで、予選からここまで、実に10万人以上がどこかで選択していた愛されたキャラと言える。
 決勝まで使用を控えているレイヤーも居るが、途中で敗退してしまうとお披露目の機会がなくなるので、出すタイミングが重要なキャラクターと言えるだろう。
 【獣人にゃんこ】になりきったタティーの動きは素晴らしかった。
 観客の、
「おおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ」
 とか、
「す、すげぇ~」
 とか、
「ナイス」
 などの歓声が飛び交った。
 すっかりタティーは人気者だった。
 パシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャ
 カメコ(カメラ小僧(カメラこぞう))達のシャッター音が鳴り響く。
 タティーはすっかりアイドル気分だった。
 何かが吹っ切れた感じがしていた。
 こうして、終始、【アニー】選手を翻弄し、お魚咥えたどら猫よろしく、【魚】キャラを仕留めたのだった。
 勝ち名乗りにタティーは、
「うにゃんっ」
 と言ってポーズを取った。
 試合が終わってからボッと真っ赤になった。
 あんな恥ずかしい真似、【クインスティータ】達の前では出来ないなと思うのだった。
 だが、親切心からか、【めがねさん】は映像を撮っていて、それを偵察から帰ってきた【クインスティータ】達に見せた。
 【リセンシア】は、
「ノリノリねぇ。直接、見たかったわぁ」
 と言った。
 タティーは、
「ひぃ~恥ずかしい……」
 と小さくなってしまった。
 ちょっと調子に乗りすぎた。
 そう思い、反省するのだった。
 何はともあれ、Bブロック代表に選ばれた。
 この後は準決勝、決勝と二回勝てば、優勝賞品である超兵器【ヴェール】の起動キーが手に入る。
 仮に準決勝で負けたとしても三位決定戦があるので、どちらにしても二回戦う事になる。