正体がわかっていてなお、自分の事を【K】と呼ばせ、本名の【久遠(くおん)】を名乗らないのは自分の存在を幻にしておきたかったからでもあった。
 幻であれば、自分の作ったキャラクターが実在化しなくても許される――そんな事を思い続けていた。
 これは一種の逃げではある。
 噂通り、もはや、クアンスティータの力を借りなければ6つの最強の実在化は不可能というのは間違い無いことだったのだ。
 イメージすら出来ない状態――だから、イメージも含めてクアンスティータの力が必要としていた。
 イメージメーカーでもある【K】がイメージ出来ないのであれば、それはもはやイメージメーカーともフィクジュエモクリエーターとも呼べない。
 名ばかりの№1フィクジュエモクリエーター――それが【K】が抱えている心の闇でもあった。