青ざめて見るからに死にそうだった二人に僅かに暖かみが感じられ、精気が戻って来たような気がした。
 どうやら、死の呪いに効果があったようだ。
 ピリオドは、
「――助かったのか?」
 と善峰に尋ねた。
 善峰は、
「どうやら無駄足ではなかったようじゃぞ。良かったな」
 とにっこり笑った。
 正直、呪いが解けたと言ってもフラワ・ダリアがやってきた同族殺しという事実が消える事はない。
 その事実は彼女をこれからも苦しめるだろう。
 何も出来なかったフラワ・デイジーにも同じような苦しみはつきまとうだろう。
 それでも生きていて欲しいというピリオドの願いは届いた事になる。
 ピリオドの頬をつうっと涙が伝う。
 うれしさのあまり、思わず涙がこぼれたのだ。