それは――
 覇権を治めていたリビングデッド三名は新たなる存在によって、倒されたとの事だった。
 倒した者は【錯覚者(さっかくしゃ)】と呼ばれる存在だという。
 どこかで聞いた事のある名前だ。
 そう――キャリアが幽界で戦った幻霊族の刺客として現れた【レイヤー】という者がコスプレをしていたという元の名前の存在の事だ。
 確か錯覚を起こさせる力を持っていて、本物であったならば、かなり苦戦しただろうと予想出来た相手だった。
 つまり、本物は幽界ではなく、冥界に居たという事なのだろう。
 【盛者必衰】――勢いの盛んな者もやがては衰え滅びるという言葉を思う。
 クアンスティータには全く当てはまらないだろうが、普通の存在はやがて現れる新たな強者の前に敗れ去るものだ。
 第一階層の強者を倒して奪った覇権はまた、新たなる存在に寄って奪われるという事だった。
 本物の【錯覚者】というのがどのような者かは多少気になるが、キャリア達の第一目標は【錯覚者】ではない。