「ふん。放っておいてくれ。どうせ、僕なんか誰も相手にしてくれないんだから」
「そんなことないと思います」
「そんなことだよ。今までだって君以外にも尋ねてきた【遺伝子パーソン】はいたさ。だけど、僕が仲間を見殺しにされて、びくびく震えていたという初期設定を聞くなりみんな離れて行ったんだよ。どうせ、君だって……」
「【オージャ】さん。私は出会いを大切にしています。例え、どんな出会いでも少なからず、自分のためになっているんだって信じています。【オージャ】さんとの出会いだって、私にとっては大きな財産です。必ず、意味はあります」
「どうせ、君も去って行くんだろ?」
「いいえ、去りません。一緒に行きたいと思っています。私にとって【オージャ】さんは、最初に出会った契約出来るかも知れない【キャラクター】さんなんです。最初の一人……この事は私にとって大きな意味を持ちます。私、決めました。【オージャ】さん、私と一緒に冒険に出ませんか?」
「何を言っているんだよ、君は?僕は仲間のかたき一つ討てない臆病者だよ。こんな僕と一緒に行ったって何が出来るって言うんだよ?」
「私があなたを選んだ一番の理由はそこです。――何も持っていない。だから、あなたを選びました。何も持っていないという事はこれからいろんなものを手にできるという事ですよね。初めから何か持っていたら、それに対しては手に入れても何もうれしくないですもんね。何も持っていないからこそこれからいろんなものが手に入るかも知れないという事です」
「な、なんでそんな事いうんだ?普通はかたきを討てとか言うんじゃ無いの?」
「私はそんなに戦いは好きじゃありません。良くて勝負までですね。だから、かたき討ちとかにはそんなに興味はありません。良いじゃありませんか、逃げたって。怖いのに無理して戦ったって亡くなった人は帰って来ません。それより、たっぷり楽しんで生きてみてはどうでしょうか?お仲間さん達を殺したという【キャラクター】は【オージャ】さん達を不幸にしてやろうと思って、襲ったんだと思います。【オージャ】さんが悔やみながら生きていたらそれこそ襲った【キャラクター】の思うつぼだと思いますよ。逆に楽しんで生活することだって復讐の一つだと思いますよ。かたき討ちをしたいのであれば、その力を得た時で良いじゃないですか。【オージャ】さんにはいつ、かたき討ちをしても良いという自由だってあるんですよ。すぐにしろって事じゃないと思います」