そこは生前の妹と最後に行動した橋の上だった。
「お兄ちゃん、私ね、将来大きくなったら、ボランティア活動をしようと思っているんだ」
 と妹は言った。
 何でだ?と聞くと、
「だって、世の中、不幸な人がいっぱいいるんだもん。私の夢は世の中の不幸を全て終わらせる事。どう?大きな夢でしょ?」
 と言っていた。
 その言葉を思い出した隆三はつぶやく。
「――確かにでっけぇ夢だな。俺には無理だ。……けど、それが出来るかも知れねぇやつが居るんなら協力してやりてぇよ。――それくれぇなら俺にもさせてくれよな――小夜――」
 と。
 隆三は上を向く。
 柄にも無く涙が出そうになったからだ。
 涙を抑えるのは上を向けば良いと相場が決まっている。
 小夜が亡くなってから三年――
 隆三には良いことなんか一つも無かった。
 いや、無かったように見えていただけだった。
 だが、今日、一つの希望が見えた。