07 【パンドラ】の手鏡


「手鏡様、手鏡様、私はどれくらい【パンドラ】様に近づきましたか?……え?30%?――まだまだですね」
 篠崎 美也(しのざき みや)は今日も手鏡を見ている。
 彼女の手元にある手鏡の名前は【パンドラ】の手鏡と言った。
 手にした者を【パンドラ】の虜にさせる手鏡である。
 この手鏡は主に、顔などにコンプレックスを持つ女性に送られる。
 表向きはこの手鏡を毎日見ていると次第に美しくなるという触れ込みだった。
 来る日も来る日も手鏡を見ていく内に、被害者は次第に鏡の中から声がするように感じるという。
 鏡の中に【神】を感じた被害者女性達は次第に【パンドラ】の手鏡が示す様に行動をしていくという。
 最初は顔のマッサージから。
 だが、次第に整形も強要するようになる。
 たっぷりお金をかけて体を改造していく被害女性達。
 いつしか生活の全てを手鏡の言葉に左右される様になっていく。