効率が悪い呪いという事から対策チームはその山に人員を割かなかった。
 噂が対策チームの耳に入って来たときはすでに9人の呪いが成就していた。
 慌てて、【パンドラ】の岩と【パンドラ】の穴がある山を探すが、なかなか見当がつかなかった。
 やっと山が特定出来た頃にはすでに20人が呪いを成就させて居て、慌てて対策チームを山に派遣したが、その時は最後の21人目が【パンドラ】の穴に足を入れた後だった。
 21人目が呪ったと思われる女性の死亡が確認されて間もなく、呪った21人も後を追うかの様に全員心臓麻痺で死亡した。
 これで、呪った人間と呪われた人間で42人の死亡が確定。
 21人目の呪いをかけた人間を探っていた対策チームは21人目を回収する5体目のビスクドールを発見。
「ふふふ……これで5体目……」
 という言葉を残して消えていったという。
 【パンドラ】の呪いと戦っているのは榮一郎達だけではない。
 榮一郎達の手の届かないところでも攻防があるのだ。
 そして、負けた。
 そういう事だ。
 榮一郎はこの報告を受けて苦虫をかみつぶした気持ちになった。
 対策チームの怠慢が招いた敗北だからだ。
 人員を少しでも配置していれば防げていたかもしれない事件だっただけに悔しさが残った。